医学部に学士編入した臨床心理士のブログ

医学を学ぶ必要があると考え学士編入した臨床心理士の、心理学、医学、雑学ブログ

医学部体験記①

f:id:kerokerofrogman:20190824040501j:plain


はじめに

現在、私は医学部6年生。年明けの国家試験に向けてバリバリ?勉強しているところだったら、こんなブログを始めない。これは逃避行動の一つだろう。

バリバリといえばバリウム。食道破裂では禁忌。

バリウムといえばfine crackle間質性肺炎。とすぐに連想してしまうくらいには勉強している。

このブログの内容はもちろん、臨床心理士で4年間総合病院で勤務した私の、医学部編入後の体験記である。

臨床心理士から医学部に入った人は非常に少ない、はず

しかし、私の体験記はおそらく世のため、人のためになるはずであると確信している。臨床心理士は現在、日本におそらく3万人後半(もしかして4万いってる?)。というのは数年前に取得した私の臨床心理士登録番号が2万台だから。年間8,000人くらい合格者が出てるような(完全にうろ覚え)。

その中で、再受験や学士編入などで医学部に入り直した人がどのくらいいるだろうか(医師が心理士をとることは、時々あるみたいね)。私は学士編入の合格体験記で一人だけ見かけた。が、おそらく殆どいないだろう。3桁は居ないと思われる。

確かに少ないけど、だったら需要無いのでは?と思うかもしれない。だが、臨床心理士の半分くらい?は(これからは公認心理師も)医療領域で働く。そして医師や看護師、その他のコメディカル(パラメディカル)と協働するのだ。主に精神科医だが、小児科医や産婦人科医、緩和ケア医なども。そして初期研修医や後期研修医もいる。

 

精神科医全員が精神療法に長けているわけではない

そこで驚くのは、精神科医は精神療法について(学部教育において)しっかりと体系的にトレーニングを受けていないことだ。興味がある精神科医は自主的に学び、仲間を見つけ切磋琢磨し、技術を磨き、知識を得るのだが、興味が無ければとことん知らない。診断と投薬においては、確かに知る必要もなく、寧ろ偏見すら持っている場合も少なくない(本当に少なくない‼)。

いったいどういうことなのだろう。私は病院勤務時代、非常に不思議に思った。臨床心理士として大学院で症例を持ち、逐語録で記録をまとめ、指導教授にスーパーバイズを受け、クライアントについて、医療的に言えば(?)全人的な理解を進めると同時に、自分自身の在り方について見つめ直す機会とした。そうしてセラピストとしての修練を積んでいったわけである。たった4年の勤務では、まだまだの3乗、4乗、100乗くらいなのだが、その私でも驚くくらいに医師が陰性転移だとか投影だとかに無知だったりする。

…少し、ブログのために悪く大げさに書き過ぎたかしら。もちろん、きちんとした精神科医もたくさんいます。あとは大学によっても指導法が異なるみたいです。これは、5,6年生であちこちの精神科に実習、病院見学に行ってよくわかりました。(臨床心理士の1種指定大学院でも、おそらく教え方は均一ではないだろうし、当然か)

 

私の誤解と結論。臨床心理士はすごい!(自画自賛

そもそも、なぜ私は、対人理解の浅い医師に驚いたのだろうか。それは、私自身が、自分が身に着けている専門性に対して懐疑的だったからだろう。病院では常に、「臨床心理士はいったい何ができるの?」と問われ続けていた気がする。うまく説明できない自分に歯がゆさを感じ続け、卑屈になっていたのかもしれない。

現在の私の結論はこうだ。「対人援助職として基本で当然と考えていた、人間に対する理解の仕方は、実は相当に専門性の高い知識と技術であった」ということなのだ。診断とか手術とか薬物治療とか、そういうわかり易いものじゃないけれど、心理士のもつ受容的な態度とか、言葉の選び方とか、分析とか、それら全体から醸し出される雰囲気は、決して当たり前のものじゃなくて、専門性なのである。ただ、説明しにくいけどね。少なくとも大学院で2年、それでは足りないが、そのくらいは身を費やさねば得られないのだ。

 

このブログの目的

このブログは、「臨床心理士は何ができるの?」に答えるための予行演習として、私が説明できるようになるための、頭の中の整理、といった側面も兼ねている。

 

まとめ

まとめるとこうだ。

①現在、臨床心理士公認心理師)として働いている

②臨床心理学の話題に興味がある

③同僚の医師について興味がある

④医学部に興味がある

⑤医学部受験(学士編入)に興味がある

以上5つのうち、1つでも当てはまれば、次回以降も私の記事を読んでみてください。もしかしたら面白いかもしれません!

私の現在の思いとしては、(自分を含めて)心理士を応援する内容を盛り沢山にしていきたいと思っている。心理士であれば、同僚の医師を理解(分析)できれば、自ずと自分の対応もうまくなるはず。そういう意味でも、医学部の生態について、心理士の視点から提供していきたい。

 

では、本日はこの辺りで。蛙正(アセイ)でした。