笠原嘉の『外来精神医学という方法』
笠原嘉先生の『外来精神医学という方法』を読んでいる。
笠原先生の本では、『精神科における予診・初診・初期治療』が有名だが、この本もまた良書である。というか、すごい好き!
引用したい文章がたくさんあり過ぎて困るが、以下に3つほど引用してみる。【】は筆者が勝手に項目づけたもの。また引用は正確な文章ではないことも明記する。
【精神療法について】精神療法ってのは人間全体を考える、人間の成熟可能性を考えること。脳次元に効く薬を使いながら、最上部の人間次元まで、家族のことも含めて視線を向ける。――15
【医師ー患者関係】時々患者さんが、本当かどうかわかりませんが、いっぺんもこっちを向いてくれない先生だったので、決心して病院を変えました、などという。他の科はともかく、精神科はちょっとの時間でも正対しないと悪い。診察室では感情診断とかラポールとかが大事、診療室の一番のベースには感情の問題があると思う。ーー7